3次元CAD(3DCAD)のメリットには、形状に関するものと製品情報に関するものがあります。形状に関するメリットは、自由曲面を持った3次元モデルを様々な角度や大きさで見たり、任意の断面を確認することができ、誰でも容易に形状を理解することができることです。製品情報に関するメリットは、関係者が検討した材質などの設計情報、調達に関する情報、公差などの製造に関する情報、コスト情報などを、形状と連携した状態で記録し伝達できることである。これらにより、企画、設計、生産技術、製造などの各部門間の意思疎通を円滑にすることができます。
正解は、こちら!
2次元の設計図面から形状を理解するためには、図面読解能力や立体認識が必要で、上記のような複雑な形状になると、普通の人には情報が相手に上手く伝わらない場合があります。3Dデータであれば、誰でも形状を認識することができるのです。
また、部品と部品との干渉も2次元図面では、判断しにくいものでも、3次元CADの場合、ボタン1つでチェックすることができます。
部品と部品との距離や部品の面積、体積、質量、重心位置なども測定できるので、部品の軽量化の検討や材料費の見積もり、重心を考慮した設計などに重宝します。
組立手順や作業性のチェックも3Dデータで行うことで検討しやすく、アニメーション動画をつくって分かりやすく相手に伝えることもできます。
3次元CADを使用して3Dモデルをつくることで、設計段階においてデザインや機構などについて試作品を作成せずに多くの検証を行うことができます。これによって、試作品を作成する回数の削減や、設計変更に伴う手戻りを減らすことができ、開発期間の短縮、品質向上、コスト削減が図れます。
3次元CADで作成した3Dデータは、製品ライフサイクルの中で様々な用途に活用することができます。営業部門のプレゼンテーションや調達部門の部品見積り、電子制御部門の制御プログラムのデバッグ、保守部門の保守技術者教育など全部門で3Dを活用することで会社組織全体のレベルアップを図ることができます。
現在は、3Dプリンタの種類も増え、3DCADで作成した3Dモデルデータを、そのまま3Dプリントして試作品をつくり形状を確認したり、製品にそのまま取り付ける例も少なくありません。3Dスキャナを使って3Dデータを作るというのも珍しいことでは無くなってきました。また、作る前のシミュレーション活用が日に日に進んできており、強度検証、熱流体、磁場・音など様々な解析がモノを作る前に行われています。
3次元CADのメリットは、上記で紹介した他にも、まだまだ沢山あります。3次元CADに取組まれていないのであれば、ぜひ、取り組んでみてください。